長寿につながる?世界のヘルシーなパン

パンのホームベーキングが、いま世界的に人気があるようです。
世界には、いろいろなパンがあり、人類とパンの関係は、とても長く、そして広範囲にわたることが、Webナショジオ2020年5月4日付で、紹介されています。

人類とパンとの関係はとても長く、2018年に中東ヨルダンで、1万4400年前頃の古代の炉から、パンが発見されました。この発見により、人類の歴史上、狩猟採集民が定住し、農耕生活を始めたとされる約1万年前の、そのはるか前から、パンが食べられていたことが、示唆されるということです。

日本では、メロンパンや、カレーパンのような、独自のパンが発展し、親しまれ、近年では、食パンへのこだわりが深まっているようです。世界各地にも、さまざまな独自の伝統に基づいたパンがあり、豊かな食生活がうかがえます。ここでは、記事の中から、2つを紹介します。

世界一、100歳以上の男性の人口密度が高いイタリアのサルデーニャ島では、住民が共同で運営するパン店で、伝統的サワー種を用いて、パンを焼いています。このサワー種には、土地独特の乳酸菌が含まれ、その酵母と乳酸菌から二酸化炭素が発生して、パンが膨らみます。また、乳酸菌には糖質を分解して乳酸を作る働きがあり、この乳酸がパンに独特の酸味を与えます。そして、このサワー種で作ったパンは、一般的な精白パンを食べたときに比べて、糖質が血流に吸収される速度を、25%も遅くするということです。このパンは、サルデーニャの食卓に、欠かせないようで、100歳を超える長寿に関係があるかもしれません。

サワー種を使ったパンは、ドイツにもあり、「プンパニッケル」と呼ばれます。プンパはおなら、ニッケルは、ゴブリン(伝説などに登場する怪物または妖精)を意味し、ドイツ人のユーモアが感じられるネーミングです。プンバニッケルは、サワー種と粗挽きライ麦全粒粉で作られるヘルシーなパンです。全粒粉は、「ふすま」、と呼ばれる外皮、胚芽の部分を取り除かずに、製粉されるため、食物繊維、ビタミンB群が豊富に含まれます。

他にも、記事では世界各地のパンが紹介されています。パンの楽しみ、健康とのつながりは、まだまだ広がりがありそうです。

参照記事:Webナショジオ2020年5月4日https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/gallery/042300878/
ナショナルジオグラフィック2020年1月号