寒さがピークの今日この頃。東洋医学では、冬の寒さからおこる不調を「寒邪(かんじゃ)」のしわざとします。寒邪対策の一つとして、からだを温める食材を、積極的に食事にとりいれていきましょう。大根、ショウガなどは生と加熱ではからだへの作用が違います。
■「寒邪」で影響をうけるからだ
寒邪は、主に寒く、乾燥している環境によるからだへの悪影響のことです。寒い環境では血流が滞ることで手足が冷えるばかりでなく、頭痛がおきやすく、腰痛や関節が痛むこともあります。
また寒い屋外と、温かい屋内の気温差は内臓に負担をかけます。そして乾燥により鼻やのどの粘膜が乾燥するとのどの奥が敏感になり、風邪などのウィルスによる炎症をおこしやすくなります。
このような低温、低湿の冬の環境からからだを守るために、からだを温める食材を食事に積極的にとりいれていきましょう。
■大根、ショウガは生と加熱で、働きが違う
大地のエネルギーを地中でゆっくりととりこんで育つ冬が旬の大根、ゴボウ、カブ、レンコン、人参などの根菜は、からだを温める食材とされます。
しかし同じ食材でも食べ方によって、からだへの作用が違うことも。大根は、なますやサラダなど生で食べるとからだを冷やすといわれますが、おでんやふろふき大根など加熱して食べると、からだを温める働きを発揮します。寒い日は、根菜は加熱して食べるのがおすすめです。
からだを温めることで知られるショウガは生のときではジンゲロールがからだの末端を温めますが、加熱することでジンゲロールがからだ深部を温めるショウガオールという成分に変わり、より効果的とされます。
そして、陰陽五行説では、冬に弱る「腎」の働きを助ける昆布、ひじき、のり、しじみなどの黒い食材がよいとされます。根菜や黒い食材を、冬の食卓にとりいれて、からだを内側からホカホカ温かくしていきましょう。
参考:「マンガでわかるはじめての和食薬膳」一般社団法人家の光協会