〜10万種類のたんぱく質が、からだの中に!?〜

私たちのからだは、水が約6割、たんぱく質が約2割、脂肪が約2割で構成され、たんぱく質はからだに不可欠な重要な存在です。そんなたんぱく質が、からだで果たしている役目とは?

●ヒトのからだには、約10万種類のたんぱく質がある
私たちのからだは、筋肉や肌にあるコラーゲンのみならず、他のさまざまな箇所も、たんぱく質からできています。例えば、目の網膜で光を捉える分子ロドプシン、血液の中で酸素を運ぶヘモグロビン、病原体に対抗する働きをする抗体、気持ちを落ち着かせるセロトニン、血糖値を下げる働きをするインスリン、髪の毛や爪をつくるケラチンなども、たんぱく質でできていてそれらの種類は10万種類に及ぶと言われます。食品から取り入れたたんぱく質は、消化によりアミノ酸にまで分解され、肝臓に運ばれたあと、大部分は他の物質と結合しない「遊離アミノ酸」と呼ばれる状態で、骨格筋や血液などに貯蔵されます。そのあと必要に応じて、血液でからだの各所の細胞に運ばれ、新たなたんぱく質の材料になるとされます。よって、たんぱく質が不足しないよう、食品から、からだへ取り入れることが、欠かせないのです。

●筋肉のたんぱく質をつくるアミノ酸、BCAA
BCAAは、3つの必須アミノ酸、ロイシン、イソロイシン、バリンの総称です。これらは枝分かれをするような分子構造をしていて英語では、Branched Chain Amino Acid(分岐鎖アミノ酸)、その頭文字をとってBCAAと呼ばれています。BCAAは、筋肉のたんぱく質を構成する主要なアミノ酸ですが、運動をすることにより筋肉中のBCAAがエネルギー源として使われるので、運動の前後にBCAAを補給すると、良いと言われます。近年では、筋トレなどのトレーニング中に、BCAAを補給するアスリートもいるようです。ロイシンは、マグロの赤身、鶏胸肉、イソロイシン・バリンはカツオやアジに多く含まれますが、サプリメントでの手軽な摂取も注目されています。アスリートに限らず、からだを良い状態に保つには、ある程度の筋肉維持は、欠かせません。適度な運動を行うとともに、BCAAの摂取に意識を向けていきたいものです。

参考:「筋肉をつくる食事・栄養パーフェクト事典」株式会社ナツメ社、
ニュートン別冊「食品の化学知識」株式会社ニュートンプレス、「新しいタンパク質の教科書」株式会社池田書店