〜メンタルとつながる、腸〜
感情のサインは、”腸からくる” とも言われます
●「前向きな気持ち」とドーパミン
ドーパミンは、前向きな気持ち、やる気に関係する脳内神経伝達物質です。なんとなくやる気がでない…という時は、ドーパミンが不足しているかもしれません。
ドーパミンの前駆体がつくられる時には、腸内細菌が必要であるとされ、ドーパミンは腸で作られるとも表現されます。
最近の研究で、そのメカニズムについて、新たな報告があったようです。
まず、腸内細菌がつくる「脂肪酸アミド」という代謝産物が、腸の壁にある感覚神経を刺激。そして、この刺激で脳がドーパミンを放出。放出されたドーパミンが、やる気や前向きな気持ちを制御する部位を活性化したという研究報告があるようです。(マウスによる実験)
●「おだやかな気持ち」とセロトニン
セロトニンは、気持ちを穏やか、幸せにする脳内神経伝達物質とされます。
セロトニンはその90%が腸に存在するといわれ、脳に存在するのは2%ほどといわれます。そのわずか2%が精神の安定を左右するようです。
セロトニンはトリプトファンという必須アミノ酸を原料に、腸内細菌の力を得て腸内で作られ、脳へ運ばれます。脳へ運ばれるセロトニンが合成されるのには、腸内細菌のバランスが重要とされます。セロトニンは、ストレスを緩和する働きがあるともされ、心の安定と関係することがわかっています。
参考:
日経ビジネスウェブサイト「運動の好き嫌いは腸内細菌で決まる?意欲高める仕組みを解明か」2023年5月26日記事。
朝日新聞Reライフ.net「大腸が「心」も動かす?神経細胞が多く存在、脳と関係」2019年6月29日記事。