かつては、ダイエットの敵だとか健康によくないなどと、悪者扱いされてきた油(脂)ですが、最近ではからだにいいものを積極的に摂っていこうという流れが主流になってきています。そもそも脂質は、たんぱく質や糖質と並ぶ3大栄養素のひとつ。ビタミンAやEなどの脂溶性ビタミンの吸収を助けたり、細胞や髪や肌、ホルモンの分泌にも深く関わっていて、不足してしまうと髪のパサつきや肌荒れの原因になることも。
■飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の違いとは
油(脂)には大きく分けて、牛肉や豚肉、乳製品など動物性の脂肪に多く含まれる「飽和脂肪酸」と、魚類や植物に多く含まれる「不飽和脂肪酸」があります。「飽和脂肪酸」は、常温では固体の状態のものが多く酸化しにくいのが特徴ですが、摂りすぎてしまうとコレステロールや中性脂肪を増やすので注意が必要です。「不飽和脂肪酸」は、さらにオメガ3・オメガ6・オメガ9に細分化され、いずれも常温では液体状。中性脂肪やコレステロール値を調節する働きがあると言われていますが、オメガ3とオメガ6は、体内で生成できないため、食品から摂らなければなりません。
厚生労働省、農林水産省、文部科学省による「食生活指針」では、「脂肪は質と量を考えて、動物、植物、魚由来の脂肪をバランスよく摂る」ことが推奨されています。それぞれの特徴や不足しがちな油(脂)を知って、イキイキと美しくすこやかな毎日に役立てていきましょう。