葛きりや葛餅の原料として知られる葛は、私たち日本人にとってなじみ深い植物のひとつ。万葉の歌人たちに秋の七草として詠われたり、歌舞伎や落語、また家紋といった文化的な題材として取り入れられるなど、古くから親しまれてきた葛ですが、美しい花を咲かせることや、その花や根に多くの栄養があることを知る人は意外に少ないのではないでしょうか。
■最近特に注目を集めている「葛の花」とは?
日本や朝鮮半島、中国などが原産のマメ科に属する葛は、山野によくみられる落葉性のつる草で、秋には赤紫色の花を穂のように咲かせます。
葛の花部から抽出されたエキスには、ポリフェノールの一種であるイソフラボンが含まれています。運度と食事を組み合わせたウエイトマネジメントをサポートするサプリメントの成分のひとつとして注目されています。
一方、地中には肥大した根があり、葛デンプンをたくわえています。そのデンプンからつくられるのが、和菓子の材料や料理のとろみづけなどに使われるのが葛粉です。
花に、根に、さまざまな栄養成分を蓄えている葛。いにしえの知恵や、最新の研究を知りながら、これからのすこやかな毎日に役立てていきたいものです。