脳内ネットワークを活性化するために、したいこと。
■脳の神経細胞ネットワークが、鍵を握る
からだを動かす、判断して行動する、情報を覚える、など、私たちの毎日の行動の多くは、脳の働きによるものです。
脳の神経細胞は、脳全体で約2,000億個あるとされますが、赤ちゃんの時に最も多く、段々と壊れるなどして減っていくとされます。脳の神経細胞は、情報伝達のネットワークを作り、このネットワークが私たちの日々の行動を司ります。
しかし、加齢や病気で、神経細胞が損傷されるなどして、このネットワークが壊れると、からだの一部を動かすのが困難になる、記憶や学習、判断などの機能が低下する、とされます。
しかし、人間には、脳細胞の一部が壊れても、アクティブな脳細胞を駆使して、状況に応じて新たなネットワークを作る「予備能力」(コグニティブ・リザーブ)が備わっていると報告されています。
日頃から脳をよく使い、鍛えている人ほど、この予備能力が高く、年齢を重ねて細胞が壊れていっても、脳の健康寿命を、長く保てるという研究結果があるようです。
■脳に刺激を与えて、鍛える
脳のネットワークは、ずっと同じ状態にあるわけではなく、よく使われるネットワークは増強され、使わないネットワークは退化し、さらに、骨や筋肉と同じように、使わないと萎縮するとさえ言われます。
脳の予備機能を高める生活習慣については、さまざまな研究報告があります。運動面では歩きながら、しりとりをするなどの、デュアルタスク運動「コグニサイズ」や注意力や記憶力が必要なダンスが良いようです。
食事では、魚、柑橘類、乳製品、緑茶、コーヒーが注目され、よく噛むことも良いようです。また、料理は、献立作り、食材選び、段取り、調理、盛り付けと、創造と意思決定の連続で、手も同時に動かすことから、大いに脳の活性化に役立つという報告があります。男女共に取り組むと良さそうです。
そして、前向きな考え方の人は、脳の健康寿命が長いようです。まずは、脳の刺激を与えることに、前向きに取り組んでいきたいものです。
参考:「認知症にならない!させない!世界の実証メソッドを網羅!脳の名医が教える最高の脳活大全」株式会社文響社、「不老長寿メソッド 死ぬまで若いは武器になる」株式会社かんき出版